治療の流れについて|ステミラック注|ニプロ医療関係者向け情報

治療の流れについて

ステミラック®注を用いた治療は下記の流れとなります。
患者が受傷されてから、ステミラック®注が投与されるまで、
右記の流れで製造され、投与が実施されます。
ステミラック®注投与までは、受傷後約2か月となります。

ステミラック®注の標準的な治療スケジュールは下記のとおりとなります。

※ステミラック®注は臨床試験において、受傷後54日以内に投与した経験しかありません。なお、詳しい解説はこちら

ステミラック®注は細胞培養のため、時間的な制約があります。
そのため、受傷後は速やかに(おおよそ2週間以内)、下記のスクリーニング検査に基づき患者への適用の可否の判断がおこなわれます。
また、骨髄液の採取は、患者の全身状態等を考慮した上で、脊髄損傷受傷後31日以内 を目安に実施します。

スクリーニング検査

ステミラック®注の使用には時間的な制約がございますので、受傷後は速やかに、下記に基づき患者への適用の可否をご判断ください。
以下の条件を満たす患者に対してステミラック®注は投与が可能となります。

脊髄損傷の原因 外傷性脊髄損傷
ASIA機能障害尺度(AIS) A ~ C

※ASIA:American Spinal Injury Association(米国脊椎損傷学会)

また、適用可否判断として、以下の項目に「該当しない」患者か確認します。該当する場合は慎重に適用の可否をご判断下さい。

  • 本品の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • アレルギー素因のある患者
  • 妊婦・産婦
  • 授乳中
  • 感染症
  • 低体重・貧血
  • 血液凝固能が亢進している
  • 血圧コントロールができない(収縮期140mmHg以下、拡張期90mmHg以下にコントロールできない)
  • 低血圧
  • 全身状態が極めて不良である(内分泌代謝疾患、循環器疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、重度の多発性外傷、多臓器障害等)
  • 重度の頭蓋内病変、主要血管の高度狭窄、解離性大動脈瘤、強い動脈硬化性変化や重度の石灰化等
  • 重度の脊髄・脊椎疾患(骨粗鬆症、脊髄腫瘍、脊髄血管奇形、脊髄空洞症等)
  • 悪性腫瘍の依存又は既応
  • 弱毒生ワクチンを使用している
  • 免疫抑制剤を使用している

感染症検査の実施について

ステミラック®注は、原料である患者本人の末梢血や骨髄液に病原体が含まれていないことが必要です。そのため、弊社の製造上の適用基準として下記に基づき感染症検査の実施をお願いいたします。

下記の感染症検査で陽性であった場合、ステミラック®注は投与できません。

B型肝炎ウイルス(HBV)
  • HBc抗体
  • HBe抗体
  • HBe抗原
  • HBs抗原
C型肝炎ウイルス(HCV)
  • HCV抗原
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
  • HIV-1抗体
  • HIV-2抗体
ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)
  • HTLV-1抗体
パルボウイルスB19(PVB19)
  • パルボウイルスB19 IgM抗体
梅毒トレポネーマ(TP)
  • TP抗体

※患者の容体を確認した上で、有益性と危険性の観点からステミラック®注の適用可否をご判断下さい。