ステミラック注について|ステミラック注|ニプロ医療関係者向け情報

ステミラック®注について

ステミラック®注とは?

ステミラック®注は、脊髄損傷患者に対する治療を目的として、患者本人から採取した骨髄液中の間葉系幹細胞(自己骨髄間葉系幹細胞)を体外で培養・増殖させた再生医療等製品です。
ステミラック®注は、患者本人の末梢血及び骨髄液を採取して製造するオーダーメイドのヒト細胞加工製品であり、受傷後31日以内を目安に骨髄液採取を実施することが可能な脊髄損傷の患者を対象としています。

ステミラック®注の原理・メカニズムとは?

ステミラック®注は、遊走能、神経栄養因子等の分泌、免疫調節能、分化能を示すことが確認されています(in vitro)1~4)。
投与されたステミラック®注の構成細胞は損傷部位へ集積し、神経栄養因子等を介した神経保護作用を引き起こし、免疫調節、神経系細胞への分化、その他複数の機序により神経症候を改善すると推察されます5, 6)。

  • 1) 承認時評価資料 ニプロ(株):社内資料 薬理試験(遊走能)
  • 2) 承認時評価資料 ニプロ(株):社内資料 薬理試験(神経栄養因子等の分泌による神経保護作用)
  • 3) 承認時評価資料 ニプロ(株):社内資料 薬理試験(免疫調節能)
  • 4) 承認時評価資料 ニプロ(株):社内資料 薬理試験(神経系細胞への分化能)
  • 5) Morita T et al. Neuroscience 2016; 335: 221-231.
  • 6) Osaka M et al. Brain Res 2010; 1343: 226-235.

ステミラック®注はどういった患者に投与できますか?

効能効果は脊髄損傷に伴う神経症候及び機能障害の改善です。
ただし、外傷性脊髄損傷で、ASIA機能障害尺度がA、B又はCの患者に限られます。

ステミラック®注はどこの施設でも使用できますか?

ステミラック®注は承認条件及び期限が付された製品となりますので、ステミラック®注を投与される患者は「全例」使用成績比較調査の対象となります。
また、ステミラック®注における使用成績比較調査を実施している施設は限られており、そのため、どのご施設でもすぐにステミラック®注を投与できるものではございませんので、あらかじめご了承ください。
現在、公開されているステミラック®注の投与施設はこちら。

ステミラック®注が適用されるための条件はありますか?

ステミラック®注を投与するにあたり、詳細な全身スクリーニング検査が必要となります。投与に不適切と判断された場合、ステミラック®注の投与はできません。
スクリーニング検査についてはこちら。

ステミラック®注を安全に投与するため、下記の点にご留意ください。
【添付文書における警告】

1. 製造販売業者が実施する本品に関する講習会を修了し、「用法及び用量又は使用方法」の項の内容を熟知した医師のもとで本品を使用すること。[適正な使用により安全性を確保するため]

2. 緊急時に十分対応できる医療施設において、脊髄損傷の診断・治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本品の使用が適切と判断される患者に対して、バイタルサインの確認、臨床検査によるモニタリングや管理等の適切な対応がなされる体制下で本品を使用すること。[適正な使用により安全性を確保するため]

3. 本品に関する臨床成績は限られていること及びそれを踏まえた条件及び期限付承認であることを含めた本品の正確な情報について、文書を用いて患者又は家族へ説明し、文書同意を取得した上で使用すること。[患者が本品の有効性及び安全性を理解することが重要であるため]

添付文書についてはこちら PDF