「APチェック®」※1による尿中トリプシノーゲン-2※2の測定で、
急性膵炎の確定診断、急性膵炎でないという鑑別診断を可能にします。
急性膵炎と症状が類似した疾患の中には処置が遅れると重篤化する疾患が含まれます。そのため、「急性膵炎ではない」ことの確認も、急性膵炎の確定と同様に重要です。急性膵炎の全体の死亡率は2.1%で、重症化した場合には10.1%に上昇します。しかし、その非特異的な症状が、迅速な診断を難しくしています2)。
上腹部の急性腹痛発作と圧痛が挙げられます。特に、心窩部の圧痛が多く、約7割の患者で確認されています。時間が経つにつれて筋性防御などの腹膜刺激症状が現れます。
従来、急性膵炎の診断には腹痛の所見の確認および生化学検査による
血中リパーゼや血中アミラーゼの測定が行われてきましたが、
「トリプシノーゲン2キット APチェック®」により、
迅速な尿中トリプシノーゲン-2※の測定が可能になりました。
※膵酵素であるトリプシンの前駆物質。急性膵炎の発症早期から尿中に排泄される。
APチェック®は、急性膵炎の発症時に大量に尿中に出現するトリプシノーゲン‐2を検出するイムノクロマトグラフィー法を用いた検査キットです。
国内8施設において、急性腹症患者(218検体)より採取した検体(尿または血清)を用い、APチェック®の急性膵炎の初期診断における有用性を既存の生化学マーカと比較したところ、APチェック®は特異度および有効度(正診数)に優れることが示されました。
臨床性能試験成績(社内データ)
【参考】
1)急性腹症診療ガイドライン出版委員会 急性腹症診療ガイドライン 2015 株式会社医学書院
2)急性膵炎診療ガイドライン改訂出版委員会 急性膵炎診療ガイドライン2015[第4版] 金原出版株式会社.
3)ニプロ株式会社 社内データ